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  • 公開日: 2026.10.03 BLOG

    子どもの教育資金はいくら必要?2027年開始「こどもNISA」と学資保険・新NISAの選び方

    緑の小道を手をつないで歩く親子の後ろ姿

    「子どもが生まれたら、教育資金はどう準備すればいいのだろう」と考える会社員は少なくありません。大学卒業までにかかる教育費は、進路によって数百万円から2,000万円近くまで差が出るといわれています。さらに2026年度の税制改正では、0歳から17歳までの子どもを対象とした新しいNISA制度(通称「こどもNISA」)の創設が盛り込まれ、2027年1月からの開始が予定されています。本記事では、教育資金の目安と、学資保険・新NISA・こどもNISAという選択肢の違いを整理しながら、会社員がどのように準備を進めればよいかを考えます。

    教育資金は、住宅資金や老後資金と並んで「人生の三大資金」と呼ばれることがあります。いずれも金額が大きく、準備に時間がかかるという共通点があり、どれか一つに資金を集中させすぎると、他の資金計画にしわ寄せが及ぶ点が悩ましいところです。特に教育資金は、子どもの進路によって必要な時期と金額がある程度予測できる一方で、住宅ローンの返済や自身の資産形成と並行して準備する必要があるため、早い段階で全体のバランスを考えておくことが欠かせません。なお、制度の詳細は今後の政令・通達等で確定していく部分もあるため、最新情報は必ず金融庁などの公式発表で確認してください。

    教育資金はいくらかかる?公立・私立で大きく変わる負担

    文部科学省が公表している「子供の学習費調査」によれば、幼稚園から高校卒業までの15年間の学習費総額は、すべて公立に通った場合で約596万円、すべて私立に通った場合で約1,976万円とされています(参考:文部科学省「結果の概要-令和5年度子供の学習費調査」)。公立か私立かという選択だけで、負担額は3倍以上に差が出る計算です。

    さらに大学進学を考えると、負担はもう一段階大きくなります。日本政策金融公庫の調査では、大学の入学費用は平均88.4万円、在学費用は国公立で年間103.5万円、私立文系で年間152.0万円、私立理系で年間183.2万円とされており、4年間の総額は国公立で約481万円、私立文系で約690万円、私立理系で約822万円に達します(参考:日本政策金融公庫「教育資金はいくら必要?かかる目安額をご紹介」)。自宅外通学になれば、仕送りや一人暮らしの準備費用がさらに加わります。

    これらの数値はあくまで平均値であり、進路や地域、調査年度によって変動します。大まかな目安として「公立中心なら数百万円、私立や自宅外通学が重なると1,000万円を超えることもある」という幅を持って捉え、お子さんの年齢から逆算して準備期間を把握しておくことが、最初の一歩になります。

    教育資金の準備方法、学資保険と新NISAの違い

    教育資金の準備方法として長く使われてきたのが学資保険です。毎月決まった保険料を払い込み、進学時期に合わせて祝い金や満期金を受け取る仕組みで、保障(契約者が亡くなった場合に以降の保険料が免除される等)と積立を一体化できる点が特徴です。一方で、近年の低金利環境では返戻率(払い込んだ保険料に対する受取総額の割合)が100%を下回る、いわゆる「元本割れ」の商品も存在するため、契約前に返戻率や解約時の条件を必ず確認する必要があります。

    もう一つの選択肢が新NISAです。保護者自身の新NISA口座でつみたて投資枠を使い、教育費用の名目で運用資金を積み立てる方法で、運用益が非課税になる点が学資保険にはないメリットです。ただし、NISAは投資であるため元本は保証されず、進学時期に市場が下落していれば取り崩し額が想定より少なくなるリスクもあります。つみたて投資枠の基本的な仕組みは、以前の記事「新NISAのつみたて投資枠を徹底解説!初心者向けのメリットと活用法」でも解説していますので、あわせて参考にしてください。

    学資保険と新NISAは「必ずどちらかを選ぶ」ものではなく、確実性を重視する部分は保険や預金で、時間を味方にできる部分は運用で、と役割を分けて組み合わせる考え方も有効です。子どもの年齢が低く準備期間が長いほど運用による選択肢の幅は広がりますが、進学直前の1〜2年は値動きの影響を受けにくい預金等に移しておくなど、出口に向けた調整も欠かせません。

    なお、かつて未成年者向けの非課税制度として「ジュニアNISA」が存在しましたが、18歳まで原則として資金を引き出せない使いにくさが課題とされ、2023年末で新規の受け入れを終了しました。今回のこどもNISA創設は、このジュニアNISAの反省を踏まえて、払い出し条件などを見直した上での再設計という位置づけで語られることが多い制度です。過去にジュニアNISAを利用していた家庭にとっても、制度の違いを正しく理解しておくことが大切になります。

    2027年開始予定「こどもNISA」で何が変わるのか

    2026年度の税制改正大綱には、0歳から17歳までの子どもを対象とした新しいNISA制度の創設が盛り込まれました(参考:金融庁「令和8年度税制改正について-税制改正大綱における金融庁関係の主要項目-」)。現行のNISAは18歳以上が対象ですが、新制度では未成年の子ども自身の名義で、つみたて投資枠に相当する枠(年間投資上限60万円、非課税保有限度額600万円)を利用できるようになる見込みです。2027年1月からの開始が予定されており、対象商品はつみたて投資枠の基準を満たす投資信託に限定される方向で検討されています。

    払い出しについても、以前の「ジュニアNISA」で課題とされていた使いにくさを見直す方向性が示されており、一定の年齢に達した後は教育費や生活費としての払い出しが認められる見込みです。18歳に達した時点で、制度上は成人向けのつみたて投資枠へ自動的に引き継がれる仕組みも検討されています。

    ただし、本記事の執筆時点で示されている内容は税制改正大綱および関連資料に基づくものであり、対象年齢の細かな条件や払い出しルールの詳細は、今後の政令・通達等で確定していく可能性があります。「子ども名義の新しいNISA枠ができる」という大枠だけを先取りして判断するのではなく、実際に制度が始まる前に金融庁や取引予定の金融機関が発表する最新の情報を確認してから、口座開設や資金移動を検討することをおすすめします。生活防衛資金を確保した上で余裕資金を充てるという優先順位も、これまでの考え方と変わりません(関連記事:「生活防衛資金の目安はいくら?会社員が今日から始められる貯め方4ステップ」)。

    2027年1月の制度開始を待つ間にも、今からできる準備はあります。たとえば、現時点でかかっている保育料・教育費の記録をつけて将来の見通しを立てる、学資保険にすでに加入している場合は返戻率や保障内容を一度見直す、保護者自身の新NISA口座で教育資金用の積立を始めてみる、といった行動は制度開始前からでも進められます。新しい制度が始まってから慌てて判断するのではなく、今の家計の中でどこまで教育資金に回せるかを把握しておくことが、2027年以降の選択肢を活かすための土台になります。

    まとめ

    教育資金の準備は、特定の制度や商品に飛びつく前に「いつ、いくら必要になりそうか」という見通しを立てることが出発点になります。2027年開始予定のこどもNISAは選択肢を広げる制度ですが、それだけで教育資金の問題がすべて解決するわけではありません。ライフイベント全体の中で教育資金をどう位置づけるかについては「ライフイベント別に考える資産運用計画の立て方」も参考にしながら、ご家庭に合った準備の形を検討してみてください。

    • 公立中心なら数百万円、私立や自宅外通学が重なれば1,000万円を超えることもあるため、お子さんの年齢から逆算して目安額を把握する
    • 学資保険は確実性、新NISAは非課税メリットと運用リスクという特徴の違いを理解し、必要に応じて組み合わせる
    • 2027年開始予定の「こどもNISA」は年間60万円・非課税保有限度額600万円の枠が検討されているが、詳細は今後確定していくため公式発表を確認する
    • 生活防衛資金を確保した上で、余裕資金の範囲で教育資金の運用を検討する
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    Liberty Asset Management

    現役証券マンとして金融の最前線に立ちつつ、個人の「自由な人生」を実現するための資産設計アドバイザーとして活動。本質的な資産設計と知見をベースに、信頼性の高い情報を発信しています。

    AFP 証券外務員一種 証券業界 3年以上